君は心理学者なのか?

大学時代に心理学を専攻しなぜかプログラマになった、サイコ(心理学)プログラマかろてんの雑記。

目が覚めると、女物のパンツが、ポケットに2枚、入っていた。

※ ノンフィクション

その1

この間ものすごく酔っ払って家に帰った。

朝起きたら目線がすごく低かった。そして寒い。

どうやら昨夜(ほぼ朝)、

家につくなりすべての鎧を脱ぎ捨て、そのまま床で寝てしまったらしい。

あたりには服が散乱し、僕の肌は寒さで粟立っていた。

こういう時の感覚は独特である。

世界がふわふわ浮いている感じ。そんな世界を歩く僕もふわふわ浮いている。

ふわふわしている割に重そうに体を上げ、

「道半ば行き倒れました」みたいなメッセージ性のある置かれ方をしているジーンズを手に取り、

何気なくポケットをまさぐった。

その2

床に落ちた。

女物のパンツが2枚。

ショッキングピングとイエローだった。

その3

いったい昨夜、何があったのか。

ブラックライトを当てたら今にも光りだしそうな、蛍光色の2枚を見つめる。

昨夜、職質されたら僕はどうなっていたのだろう。

若干体温が上がってきた僕の肌が、再び粟立つ。今度は悪寒だ。

その4

部屋の隅にその2枚を投げ捨て、

何事もなかったかのように、とりあえず会社に行った。

仕事しながら記憶を辿った。霞をつかむかのように何も思い出せない。

「このまま、何ごともなかったかのように生活をしていく」

そんな選択肢が浮かぶが、

「警察が家宅捜索にくるイメージ」がその上に浮かび、

完全に上書きしていった。頭を抱えた。

記憶のない中、罪を犯した。

自分には、そうとしか思えなかった。

その5

いや。何かがおかしい。

数が、合わないのだ。

今しがた、若干記憶が戻ってきた。

そう。

昨日行った店には、男性が2人、女性が1人いたのだった。

その6

昨日いた店に問い合わせてみて、僕は安堵した。

僕は犯罪を犯していなかった。

店長「常連のおじさんが、君に女物のパンツを2枚くれた」

安堵しながら僕は思った。

「あれ?結局意味わかんねーぞ」

(つづく)