最近の出来事を元に脚本を書いてみる。その2
はじめに
この話はいい感じにフィクションです。
登場人物
わたし(26)…会社員
まり(24)…劇団員
M(モノローグ) 夜22時。帰りの電車の中。私は立ったまま本を読んでいた。
SE(効果音) 電車がとまる音
M 最寄り駅で車両を降りようとしたとき
?? 「かろてんくん」 わたし 「え!?」
M 不意を突かれた。振り向くとよく知っている人だった。
このあいだ飲み屋であったばかりだ。
わたし 「なんだよまりか」 まり 「気づいてた?わたし目の前にいたよ」
M まりはそういって、こっちを見て笑った。とても怖い。
まり 「ねー、なによんでるの?」 わたし 「内緒」
M よんでいるのは『スクリプトドクターの脚本教室・初級編』。
そしてまりは、普段劇団員をやってる。
僕がこの本を読んでいることと、
まりが劇団員という事実は全然関係ない。
だからバレても問題ないがなんだか曲解されそうな気がする。
まり 「なんで?きになるよ」 わたし 「みせられないんですー」 まり 「やらしい本?」 わたし 「めっっっちゃやらしい本」
M 面倒なので適当にあしらうことにする。
SE ICカードをかざす音
まり 「さっきさ、声掛けようか迷ったんだよね」 まり 「でもそのまま見てる方がおもしろかったから、 なによんでるんだろーとかなに考えてるんだろーとか思ってた」 わたし 「すごくこわいね」 まり 「はじめはさ、ストーカーみたいなことやめようと思って。 だから本当は声かけようと思ったんだけど」 わたし 「ストーカーやめるの?」 まり 「やめる」 わたし 「もしかして5年位やってる?」 まり 「ちがうって!さっきの話」 わたし 「5年位はやってそうなのに」
M まりは手首にテーピングしている。十中八九リストカットの後だろう。
ストーカーしていてもおかしくない。
まり 「ひどーい」 わたし 「じゃコンビ二よるんで」 まり 「わたしもよるから」 わたし 「ストーカーめ!」 まり 「だから違うって」
M 本当に怖かったので、早々に会計を済ませてコンビニを出た。